* オリエント考古遺物について *

<推薦図書>








考古遺物には、様々なものがあります。地域や集落、またお墓であれば埋葬された人によって大きく異なることになります。そこで、ここではそのいくつかのものを分類して概説致します。

ブロンズ(青銅)など金属製品
権力者などのお墓からは金や銀の製品が出土する場合があります。しかし、それらはどの時代においても換金し易く、多くが盗掘に遭い溶かされてしまった為に、現存するものはそう多くはありません。
また、希少性と共に金属の特性の為に、贋物が多数作られもしました。
金・銀製品はユーラシアステップに住んでいた遊牧民から黒海沿岸地域、ペルシャからエジプトまで、広範囲に発掘されてはいるものの、数は限られます。
ブロンズ製品は、判子、アクセサリー、お守り、多種の容器、刀、馬具が主なものとなり多くが現存しています。

ブロンズ製品で有名なペルシャ・ルリスタンの遺物は、残念ながら盗掘により市場に出てきたことにより、その存在が知られるようになったことが有名です。きちんとした考古学的発掘がなされなかった為に謎も多いと言われています。
紀元前1千年紀頃のものであっても、人物、動物などの表現が素晴らしく、高い文化があったことが伺えます。

その他、ペルシャなどからの輸入素材を用いたメソポタミアのもの、ペルシャ北部・アムラッシュや後のグレコ・ローマンのブロンズもよく知られています。
特にローマ時代のものは、ローマ帝国が広域だった事やメソポタミアやペルシャ文明の後の時代と言う事もあり、比較的多くのものが現存しています。


ガラス製品
トンボ玉として知られるビーズで作られたネックレスなどは、紀元前から様々な地域で大量に作られました。しかしながら、容器として作られ現存するものの多くはローマ時代以降が殆どとなります。勿論、紀元前一千年紀頃の容器もありますが、その性質上かなり少数です。
日本人により馴染み深いのは、遠く奈良まで渡り正倉院に保存されたタイプのササン朝ガラスです。
また、数は少ないですが、彫刻を施して指輪など身に付けられる形状にし、印章として用いられたものもありました。
ガラスの特質として、長年地下に埋まっていたものは、銀化または金化といった表面の変質が起こったり、完全に透明だったガラスが不透明のまるで焼き物のようになったりと、しばしば変化しています。

より詳しく古代オリエントや遺物の事を知りたい方は、左記の図書などが比較的入手がし易く判りやすいです。


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