インド更紗の一部分(19世紀後半)
アンティーク・インド更紗の素晴らしさの大きな要因の1つがその色だと言えるでしょう。
特に茜で染めた赤の色は、深く鮮やかで色あせしにくいといった良い事尽くめのものです。

今回の画像はほぼ実物大で、更紗に更にキルティングを施したものの一部分です。
このキルティングがまた本当に細かい目で、丁寧に刺してあり、目も揃っていて本当に綺麗な仕上がりです。
更紗にはこの様に時々キルティングがされているものがあり、更紗の時代と同じものや後の時代にされたものなどがあります。
生地を丈夫に長持ちさせたいということなのか、更紗だけでなく他の布地もキルティングされたものが見かけられます。
キルティングのデザインは直線的なものが殆どで、欧米に見られるような曲線を多用したものは見かけません。

キルティングの仕上がりも素晴らしいのですが、100年以上前に仕立てられたものを見ると、ミシンではないのにまるでミシンで仕上げたように目が揃い丁寧なので驚かされます。近年のものも素晴らしいのですが、昔の手仕事の方が時間を掛けて丁寧に作られている感じがします。


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