ペルシャ北西部・シャーサヴァン鋏ケース(1900年代初頭)
小さな鋏やナイフを入れるケースとして作られました。
正面は綴れ織、裏は刺繍のような織込みで模様を付けてあり、周りはスマック織で織られています。
1枚として織り上げたものを、丁寧にカラフルな毛糸でかがってある凝った作りに驚きます。
あまり市場に出てこない上、小さくて収納し易いなど色々な理由により、意外に高価と思う方もいらっしゃるかもしれません。

以前にも書きましたが、かつて人々は絨毯やキリムを敷物としてだけでなく、その材料と技術を用いて様々な装飾品や小物を作りました。
そしてどれもとても大事にされていた事がわかります。
現在、そのようなものは殆どバザールで既製品を購入した方が安価で早いこともあり、作られなくなったものが多いのです。
何百年、何千年と続いてきた事が、ほんのここ数十年で失われると言う事。地球の温暖化と同じペースでしょうか・・・


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