カシミール・ヘシヤと呼ばれるボーダー部分の一部 (18世紀)
カシミールの織はショールだけでなく、サッシュベルトや衣装の素材として主に王侯貴族などの為のものでした。
殆どが美しい草花文が特徴ですが、そのバリエーションも意外に豊富です。
紹介されている殆どのものが、19世紀に多量に作られたペイズリーのタイプですが、それはより一般的に所有されたからに他なりません。
つまり、それ以外の稀少なタイプは、特権階級に属する人々のみが所有でき、雰囲気も若干違います。

このボーダーには文字が織り込まれています。
ペルシャ語でおめでたい場合に使う言葉であり、特別なものとして作られたことが伺われます。
当時のムガールの宮廷ではペルシャ語が使われていたので、ムガールの古い染織品にペルシャ語が使われていても即輸出用ということではありません。
草花文のみのボーダーが一般的なのに対し、この様なものは大変稀なものと言う事が出来ます。


Copyright (c) 2005-2007 Gallery Tulip. All rights reserved.