ペルシャ・インド&ヨーロッパ更紗のコート(19世紀後半)
大変素晴らしい仕立てで作られたコートです。
表側は唐草柄のインド更紗、裏はヨーロッパ更紗が総裏で付いていて、ヘムは全て刺繍で留めてあります。
この様なコートのタイプは比較的数が少なく、ジャケットタイプの方が数的に多く現存しています。

ペルシャの衣装なので、何故インド更紗?といった所ですが、19世紀のインドやヨーロッパからの更紗輸入は盛んでした。
インド更紗とペルシャ更紗はかなり類似点が多く、見分けるのも困難なことが多い分野です。
この様な衣装用の更紗は反物として取引され、未使用の反物として残っている場合もあります。

華やかなので女性用と思われがちですが、これは男性用です。
男性も女性も同じようなデザインを共用していたようですが、大型のものは通常男性用のものです。
また、高価な素材の衣装は特権階級など富裕層の為のものなので、殆ど未使用と思われる状態で残されていることがままあります。


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