ペルシャ、カシャーンのベルベット絣の一部分(19世紀末)
ペルシャで製作された絣の素材は絹または木綿。
絹はタフタ、サテンなどの織り方以外にこの様なベルベットのものも作られました。
ベルベットは毛羽がある分、その長さも計算して図柄の部分を先染めするので、大変な作業でもあります。

この様なベルベットの絣で有名なのはウズベキスタンのものですが、ペルシャのものはあまり知られていず、数も少ないのです。
この写真のものは、絨毯のように中央部とボーダーとのデザイン構成され、当時流行のペイズリー(ボテ)柄のヴァリエーションとなっています。
連続柄のタイプの他に、立ち木文様のものが一般的に作られました。
絨毯のように中央にメダリオンのあるもの、幾何学的なものも少し前の時代までは若干作られています。

日本に絣の技術が入ってくるかなり前に輸入された「太子間道」として知られている布は、シルクロードを通って西方から伝えられたもので、それらの子孫の1つがこのベルベットの絣と言う事が出来るでしょう。


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