ペルシャ、ケルマンの綾綴れ織テルメ(19世紀後半)
極細の上質なウールで綾綴れ織の技術で織られた布は、カシミールのショールが一番有名でしょう。
これは、同じ技術で同じく上質なウールで織られたペルシャの織物です。
ペルシャではその産地が1つではありませんでしたが、これはケルマンという町で織られたものです。
ここは絨毯の産地としても有名なところですが、現在この様な織物は織られていません。

この様な縞のタイプは大変人気がありましたが、同じくペイズリー柄のものも多く製作されました。
主に王族や政治家などの一部権力者が衣装やショールとして用いる事が多かったもので、当時の最高級品の1つでした。
もっと目の粗いものなどもありますが、良質なものはこの様に大変緻密に織られています。
19世紀後半に、ペルシャ国王からイギリス国王へ贈られた品物の中にもこのタイプの縞のテルメが含まれています。
現在、ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館で見ることが出来ます。


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