インド・カシミール織に絹刺繍ストールの一部分(19世紀末)
インドのデリーの刺繍です。
カシミールの織のショール、一般的にペイズリーショールと呼ばれるタイプに比べ、圧倒的に数が少なく知られていません。
また、このタイプで一番赤の地色のものが多いのに対し、これはオリーブグリーン地と更にレアな配色です。
緑が好きな人か、個性的なものを狙ってこれを作らせたのか・・・そんな事を想像するのも楽しみの1つかも知れません。

生地部分は柔らかいカシミアウールを手織りしたもの。そこにびっしりと絹糸でカラフルに刺繍を施してある美しいものです。
このテクニックで作られたものは、この様なストールやサッシュなどに使われたもの以外に、インドのゲーム盤として作られたものなども現存します。
インドは本当に染織大国だったのですね。こんな贅沢な刺繍布をゲーム盤として用いる事は考え付くだけで驚きです。


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